白髪対策によい栄養素は?白髪ができる原因と白髪予防・黒髪復活のセルフケア方法
30代に入ったころから気にする方が多くなるのが「白髪」。最初は髪をかき分けると1、2本チラホラ出てくる程度だった白髪も、年々数が増えて悩みの種となってしまうことは珍しくありません。
そこで多くの方は白髪対策として、白髪染め・カラーリングをしていることが一般的。ですがそもそも「白髪をできにくくする」「白髪になってしまった髪を黒髪に復活させる」白髪対策をすれば、染め直すことなくいつまでもきれいな髪色でいられると思いませんか。
そこでここでは、まずは白髪ができるメカニズムについてご説明した後で、白髪対策としてオススメの栄養素をご紹介します。
目次
髪の毛の構造
まずは髪の毛の構造についてご説明します。
髪の毛は頭皮にある毛穴から地肌の外へと押し出されるように伸びています。この地肌の外側に伸びている部分(通常「髪の毛」と呼んでいる部分)を「毛幹」、地肌よりも下にある見えない部分を「毛根」と呼びます。
毛根のなかでも一番根元の部分は丸く膨らんでおり、この丸い部分を「毛球」と呼びます。毛球のさらに中心部分は「毛乳頭(組織)」と呼ばれ、この毛乳頭が髪の毛を生産する命令を出す司令塔の役目を果たします。
【髪の毛が伸びる仕組み】
毛乳頭が自身にくっついている「毛母細胞」に髪の毛を生産する命令を出すと、毛母細胞は分裂をします。この分裂活動が繰り返されることで、髪の毛はどんどんと伸びるのです。
この毛母細胞の分裂活動をサポートするのが、毛細血管を通って運ばれてくる血中の栄養素や酸素です。そのため健康な髪の毛を育てるためには、頭皮の血行を良くして、栄養素や酸素を十分に毛母細胞に届ける必要があります。
髪の毛の色はどうやって決まるの?
では髪の色は、どのようにして決定されているのでしょうか。
髪の色を決めているのは「メラニン色素」の存在です。肌の色にも関わっているメラニン色素の量(2種類のメラニン色素の配合量の比率も含む)によって、髪色は決まっています。
メラニン色素は、毛母細胞に隣接している「メラノサイト」という細胞で作られる色素細胞です。メラノサイトで作られたメラニン色素は、隣になる毛母細胞に移動して、髪が伸びる際に髪の毛の内部に入り込みます。
つまり、髪の毛は本来が「白髪」であり、メラノサイトで作られたメラニン色素が白髪に入り込んで「黒髪」になるのです。
白髪になる原因
ではなぜメラニン色素によって色が付けられていた髪の毛が、ある時から白髪になってしまうのでしょうか。
白髪になる主な原因を以下に挙げます。
【根元から白髪の場合】
根元から白髪の場合、毛母細胞が分裂する際にはすでにメラニン色素がなく、白髪の状態で生産されている、ということを意味します。
これは加齢(老化)によって、メラニン色素を作るメラノサイトの数が減ってしまっていたり、働きが弱まっていたり、メラノサイト自体が作られなくなってしまったことが考えられます。
【途中から白髪になっている場合】
上記の加齢も原因として考えられますが、さらには紫外線などによる外的刺激や偏った食生活による栄養不足、喫煙・寝不足・ストレスなどによる血行不良からの栄養や酸素不足によって、ある時からメラノサイトが活動しなくなっている可能性があります。
また、貧血や内臓疾患などの病気によって頭皮にまで栄養が行き渡らないため、メラノサイトが休眠状態となって白髪になる場合もあります。疾患が白髪の原因の場合は、その疾患が治ることでメラノサイトも活動を再開し、白髪も自然と治ります。
さらには髪や肌の色のメラニン色素量は遺伝的要素が強いため、遺伝によって元々「白髪になりやすい」ということも考えられます。
ただし親に白髪が多い場合でも、食生活などの生活習慣を正し、頭皮マッサージによって頭皮の血行を良くすることで、白髪になりにくくすることは可能とも言われています。
※兄弟間でも白髪の量がまったく異なることはよくあります。これは後天的な生活習慣の違いが影響している証拠とされています。
白髪対策にオススメの栄養素
白髪を増やさない、または白髪を改善するためには、頭皮にまで十分な栄養素を届かせてメラノサイトを元気に活性化させなくてはいけないことが、お分かり頂けたかと思います。
そこでここからは、メラノサイトによってメラニン色素を作り出すために必要な栄養素をご紹介します。
【白髪対策に摂取すべき栄養素1.タンパク質】
タンパク質は、ヒトの体のおよそ20%を占める重要な構成要素です。
皮膚、筋肉、血液、臓器などのほか、髪の毛もまた主に「ケラチン」という名称のタンパク質で作られています。
タンパク質は数種類のアミノ酸が結合した物質であり、ケラチンは18種類のアミノ酸が結合したタンパク質です。
※ヒトの体は20種類のアミノ酸によって作られたおよそ10万種類のタンパク質で構成されています。
ですが十分な量のタンパク質(アミノ酸)を摂取できていなければ、(生命活動にとってはそれほど重要でない)髪の毛にまでは回ってきません。そのため白髪を予防するためには、食事やサプリメントなどで毎日きちんと摂取することが重要なのです。
【白髪対策に摂取すべき栄養素2.ミネラル】
「ミネラル」とは、亜鉛、鉄分、ヨウ素、銅などの総称です。
これらはタンパク質の合成や代謝などに関係し、また例えば銅は「チロシナーゼ」(メラニン色素を作る酵素)の合成に深く関わっているため、不足すると白髪になりやすくなります。
【白髪対策に摂取すべき栄養素3.ビタミン類】
ビタミン類もまた、健康的な髪の毛づくりには欠かせない栄養素です。
ビタミンCは活性酸素除去効果があるため、細胞の老化を防ぎます。またビタミンB12や葉酸は血液を作る働きがあるため、頭皮にまでしっかりと栄養素を届けるために重要です。
さらに葉酸は細胞分裂時の情報伝達に関わるため、葉酸が不足するとメラノサイトが再生しないことがあり、白髪リスクが高まります。
白髪対策で黒髪をよみがえらせよう!
白髪を年齢や遺伝のせいにせず、白髪対策に良い栄養素をしっかりと補給し、規則正しい生活を送ってみてください。
白髪になってしまった髪の毛が根元から黒く復活する可能性はまだあります。また将来のためにも、白髪対策によい栄養素を軽視せず、今日から意識的に摂取してみましょう!
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