コラーゲンは食べても意味がないって本当!?

サプリメントを服用しようとしている女性

コラーゲンのサプリメントや美容液などが数多く販売される中で、近年「コラーゲンは食事やサプリで摂取しても肌や健康のために直接役立たない」といった話も囁かれるようになってきました。

では、本当にコラーゲンたっぷりの料理や、コラーゲンを含む健康食品やサプリメントは効果がないのでしょうか。

コラーゲンは食べてもコラーゲン合成に役立たない?

コラーゲンはタンパク質の一種で、私たちの皮膚や血管、骨などあらゆる場所に存在しています。

私たちの体の中では、皮膚をしなやかに保ったり、骨を柔軟で折れにくいものとするため、絶えずコラーゲンの分解と新しい合成が進んでいます。

しかし加齢とともにこの私たちのコラーゲン合成能力は低下してしまうので、サプリメントなどで必要なコラーゲンを補ってあげるのが大切、というのがこれまでの考え方でした。

ですがこの説に対して

(1)コラーゲンは体の中でアミノ酸に分解されてしまい、身体に吸収されるときには、他の肉や豆類のタンパク質に含まれるアミノ酸と変わりはなくなってしまう。

(2)吸収されたアミノ酸はコラーゲン以外のタンパク質として合成されてしまう。

(3)なによりコラーゲンを構成するアミノ酸は、食べ物を通してしか摂取できない必須アミノ酸とは違う非必須アミノ酸であるため、食品を通してコラーゲンそのものを摂ることに意味はない。

といった話を聞くようになってきました。

確かに説得力のある話ですが、本当にコラーゲンを摂取することに意味はないのでしょうか。

「コラーゲンを食べると、コラーゲンが作られる」は本当か

コラーゲンに関する研究は現在世界各国で行われており、中には上記のような説を唱える研究機関もあります。

ただし、その一方で「コラーゲンは摂取することで肌の再生に役立つ」という報告も上がってきているのです!

2009年に京都大学が発表した研究では、コラーゲンを摂取した際に胃や腸で吸収されなかったコラーゲンの破片が血中に長時間止まっていることがわかりました。

このコラーゲンの破片を「コラーゲンペプチド」といい、これが皮膚などにダメージを負った人が体内でコラーゲンを生成する細胞である線維芽細胞(せんいがさいぼう)の増殖に使われるというのです。

つまりコラーゲンの一部は、アミノ酸として吸収されてしまうものの、残ったコラーゲンペプチドは優先的にお肌や骨、関節の修復を行うコラーゲンの元になっていくのです。

世界中で始まるコラーゲン摂取の動き

現在コラーゲン摂取の役割が徐々に明らかになるにつれて、医療機関などでも患者さんにコラーゲンを摂取させるという試みが始まっています。

特に、関節を痛めている患者さんや寝たきりで皮膚に大きなダメージを負っている患者さんの回復にこうしたコラーゲン投与が行われているということ。

今後さらに明らかになるコラーゲンの可能性に期待が持てますね。

コラーゲンの効果的な食べ方&飲み方

コラーゲンを含む料理や健康食品、サプリメントは効果がないという説はどうやら覆りつつあるようです。

しかし、だからと言ってただコラーゲンを含むものを食べたり飲んだりしていれば、肌がきれいになったり健康になったりするわけではありません。

美肌の女性

大切なのは良質なコラーゲンを含む食品を選ぶことと、正しい食生活を続けバランスの良い栄養を摂取すること。

特に、より美肌効果を高めるコラーゲンの取り入れ方を考慮するなら、コラーゲンが合成されるのを助ける「ビタミンC」を同時に摂取することは必須です! 

というのもビタミンCは、プロコラーゲン(コラーゲンの前駆体)に含まれるアミノ酸の一種「プロリン」「リシン」を水酸化する酵素の働きを助ける、という機能があるからです。

これら「プロリン」「リシン」は水酸化されることで、3本のコラーゲン繊維がより合わさった三重らせん構造を作り出します。言い換えると、コラーゲンは三重らせん構造でなければ、安定性がなく弱いものとなってしまい、コラーゲンとして存在する意味をなしません。

そのため、肌や骨のために強いコラーゲンを作るためには、ビタミンC摂取も見逃せないポイントなのです。ビタミンCは体内で生成できない栄養素のため、野菜・果物のほかにサプリメントも活用することをオススメします。

またビタミンC以外に、コラーゲンと一緒に摂取したい成分として、「ヒアルロン酸」「エラスチン」も挙げられます。これらは保水力があるため、肌の水分量を高め維持する機能がある、美肌づくりに欠かせない物質です。

野菜を切る女性

健康的かつ美しい体づくりには、どのような成分をどのような組み合わせで摂り入れるかも重要です。そのためサプリメントや食事の改善を図る際には、それらに含まれる成分をよく見て、毎日の食生活にうまく取り入れられるか判断していくことが大切です。

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