湿疹・かぶれの原因は? 肌トラブル発生の仕組みと原因、オススメの栄養素まとめ

花粉などアレルギー物質が増えやすい春、体温が上がり汗を多量にかく夏、肌が乾燥しやすい秋冬と、どのシーズンでも皮膚に湿疹・かゆみは起きやすく、肌トラブルに悩む方はたくさんいらっしゃいます。

ある日突然現れるブツブツした湿疹や水疱――どうしてそのような疾患が起こったのか原因を知り、適切な対策を取りたいと思うのは当然のことです。

湿疹イメージ

そこでここでは、どうして湿疹やかゆみなどの肌の炎症トラブルが起こるのか、代表的な原因と仕組みを挙げ、その対処法についてご紹介します。

皮膚は体内部を守るシャッター

まずは皮膚の構造についてご説明します。

皮膚は大きく2層に分けることができます。皮膚表面から内部に向かって順に「表皮層」「真皮層」と呼ばれています。
※真皮層の下は「皮下組織」と呼ばれています。

通常、表皮層の一番上、つまり肌表面にあたる「角層(角質層)」には、皮脂や汗、表皮皮質(肌表面の角質細胞から分解された成分)から作られた「皮脂膜」と呼ばれる膜が張っており、まるでシャッターのように外部刺激から肌を守っています。

また皮脂膜の下の表皮層、真皮層自体も、体内部にまで外部刺激が入り込んで体に異常をきたさないように、外壁のような役目を担っています。

※外部刺激とは、紫外線、花粉、ほこり、ハウスダスト、細菌・雑菌、乾燥、化学物質(洗剤やメイクアイテムなど)などを指します。

皮膚の構造

このように体を守っている皮膚ですが、その厚さは「表皮層」「真皮層」合わせてもおよそ0.4~0.5mmとかなりの薄さです。

そのため外部刺激のレベルが強かったり、乾燥や栄養不足・ストレスなどによって皮脂膜や角質細胞がうまく機能していなかったりすると、外部刺激が角層を突破して表皮層や真皮層にまで入り込んで攻撃をしてきます。

すると肌質によって、かゆみ・かぶれや湿疹であったり、水疱であったりといった肌トラブルが起こるのです。

ただし外部刺激の種類によって、肌内部で起こる反応が異なります。そのため次に代表的な刺激の種類別、肌の反応イメージをご説明します。

アレルギー反応が起こる仕組み

湿疹と総称される肌の炎症トラブルの多くは、アレルギー反応であると言われています。

花粉やほこり、ハウスダスト、化学物質などはアレルギーの原因物質「アレルゲン」(別名「抗原」)に分類されます。

これらアレルゲンが肌に付着し刺激を与えると、肌をはじめ全身を移動しパトロールしている免疫細胞「マクロファージ」が抗原を長い突起で包み込み、食べてしまいます。

そしてマクロファージは、この抗原の分子構造(どのような特徴を持っているのかの情報)を顆粒球とリンパ球に伝えます。

※顆粒球とは、主に細菌系を飲みこんで退治する作用があり、その後は顆粒球自身も死滅して膿となります。

リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞に分けられる)は抗原の情報を元に、それに対抗する「抗体」(別名「IgE抗体」)を作ります。この抗体は「肥満細胞」(別名「マスト細胞」)に付着し、再び抗原が侵入しないかどうか待機しています。

アレルギー反応の仕組み

再び抗原が侵入してくると、肥満細胞に付着している抗体は、その侵入した抗原と結合します。

すると肥満細胞が異物侵入を察知し、「ヒスタミン」を放出します。このヒスタミンこそがかゆみや炎症反応(赤み、腫れなど)、湿疹を起こす原因となるのです。

湿疹が起こりやすい肌状態

ではどのような肌の状態だと、湿疹・かゆみが起こりやすくなるのでしょうか。

1.乾燥肌

肌内部の保水・保湿成分が不足し、肌が細胞レベルで乾燥していると、健常肌と比べて外部刺激が侵入しやすくなります。

肌表面に見える角質細胞の元は、「基底層」という、表皮層の一番下の層から生まれます。そして基底層からゆっくりと上の層に上がっていき、角質細胞として肌表面に現れた後、アカとなって剥がれ落ちます。この一連のサイクルを「ターンオーバー」(別名「新陳代謝」)と呼びます。

そのためもしも肌内部が乾燥していると、生まれてくる新しい肌細胞はもろく、形が不ぞろいなモノになってしまうのです。その不完全な状態で肌表面に上がってくると、ちょっとした刺激ではがれてしまったり、アレルゲンとなる外部刺激がどんどんと肌内部に侵入してしまったりします。

そのうえ細胞同士にすき間があるため、さらに肌内部の水分がどんどんと蒸発し、乾燥状態が加速してしまうのです。

この乾燥による負のスパイラルによって、アレルゲンによる湿疹が引き起こされてしまいます。

2.加齢による菲薄化

年齢を重ねると皮膚が薄くなる傾向にあります。これを「菲薄化(ひはくか)」と呼びます。

菲薄化の原因は主に「女性ホルモンの減少」です。女性ホルモンは40代に入ると急激に減少するため、そのあたりから菲薄化が進行すると言われています。

肌のハリや弾力を作り、保湿力もあるコラーゲンやエラスチンは、真皮層に存在します。しかし女性ホルモンの減少に伴い、これらの肌を構成する物質の数は減少し、また働きも弱ってしまいます。

そのほか肌を構成する細胞を作り出す力自体が、加齢によって弱ってしまうことにより、皮膚はどんどんと薄くなっていきます。これはターンオーバー周期が長くなってしまうことも関係しています。

すると外部刺激への防御作用も弱ってしまい、湿疹などの肌トラブルを起こしやすくなってしまうのです。

肌トラブル対策にオススメの栄養素は?

ではどうすればこのような湿疹などの肌トラブルを予防・改善できるのでしょうか。

保湿力の高いスキンケアアイテムを使用することももちろん重要です。しかし体の内側から元気な肌細胞を生み出し、女性ホルモンの減少を予防する必要もあります。

肌がきれいな女性

そこでオススメなのが、食事やサプリメントによるビタミンC、ビタミンE、アミノ酸、イソフラボンの摂取です。

これらの栄養素はコラーゲンなどの材料となって皮膚を健やかに育てたり、血行を促進し自律神経・ホルモンバランスを整えたり、免疫力を高めたりなど、肌の健康維持に欠かせない働きをします。

湿疹・かゆみにお悩みなら、これらの栄養素を意識的に摂取するように心がけ、同時に保湿対策も行うことをオススメします。

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