コラーゲンの基礎知識、そもそもコラーゲンってどんなもの?

本を読んでいる女性

化粧品やサプリメントでよく耳にするコラーゲン。

なんとなくお肌に良いという印象のある成分ですが、実際にはどのようなものなのでしょうか。

どのような食品に含まれているのか、また私たちの体の中でどのような働きをするのか、その効果についてもう一度勉強してみませんか?

コラーゲンはタンパク質の一種

コラーゲンはもともと、動物の皮や腱、軟骨や骨に含まれるタンパク質の一種。

当然私たちの体の中にも含まれており、人間の皮膚、特に真皮と言われる部分に至っては約70%がコラーゲンでできています。

コラーゲンはほかにも骨や血管などに存在しており、たとえば日本人女性の平均体重53kgの体型の場合、全体重内の「3kg」ほどがコラーゲンの占める割合となっています。

真皮とは

人間の肌は大きく3層に分けられます。表面の一番上の層が「表皮」、その次の層を「真皮」と呼びます。

先述したように真皮の約70%はコラーゲン。そのコラーゲンの間を満たすように「ヒアルロン酸」などの保水成分が存在し、タンパク質の一種である「エラスチン」がコラーゲンとともに肌の弾力を司っています。

これら「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」など、真皮にある線維組織を作り出す細胞を「線維芽細胞」と呼びます。

真皮には血管や皮脂腺・汗腺などもあります。真皮から伸びている毛細血管が表皮細胞にまで栄養素・酸素を届け、反対に老廃物・二酸化炭素を運び去っていくのです。

コラーゲンの効果って?

美肌や保湿効果が取りざたされるコラーゲンですが、実際には私たちの身体の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。

先ほども述べたように、コラーゲンは人間の真皮に多く含まれています。

真皮は肌に弾力を持たせ、形を整える役割を持っており、常時「分解&合成」を繰り返しています。お肌の健康は、真皮のコラーゲンが生まれ変わることによって保たれているのです。

年齢の若いうちは、このコラーゲンを生み出す能力が高いのですが、年齢を重ね、コラーゲンを生み出す能力が低下すると、肌のハリがなくなったり、シミが増えてくるようになります。

コラーゲンとエラスチンの関係は、よくベッドのスプリングと留め金に例えられます。健康で若い肌の場合、コラーゲンはまさにベッドのスプリングのように、網目状に真皮層全体に張り巡り、外部から圧力がかかっても押し返す弾力を持っています。

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の年齢別イメージ

しかし残念ながら加齢や外部刺激により、コラーゲン、エラスチンがともに衰えてしまうと、肌の弾力はなくなってしまい、シワやたるみとなって表面に現れるのです。

※ちなみに保水力のあるヒアルロン酸は、コラーゲンとエラスチンのあいだを埋めるスポンジに例えられます。

年齢の若いうちはこのコラーゲンを生み出す能力が高いのですが、30代以降、特に35歳を過ぎるとコラーゲンを生み出す能力が急激に低下すると言われています。

すると全体的に肌のハリがなくなったり、正常なターンオーバーができにくくなるために外部刺激に弱くなり、シミ・シワなどのエイジングサインが増えてくるようになります。

また、コラーゲンのもう一つの大きな役割は保水。

セラミドやヒアルロン酸などと同じように、コラーゲンには水を蓄える性質があります。真皮の中でコラーゲンが十分に水分を溜め込むことでお肌は潤い、健康を保つことができるのです。

コラーゲンとゼラチンって違うの?

煮物を作った時の残り汁が冷えてプルプルに固まったなんて経験はありませんか?

このプルプルは煮凝り(にこごり)と呼ばれていますが、実はこれ、もともとコラーゲンなんです。調理の途中でコラーゲンが分解されて「ゼラチン」という物質に変わったもの。

つまり、ゼラチンはコラーゲンよりも小さい成分。分子量で比較すると、コラーゲンを構成する分子は30万個ほどであるのに対して、ゼラチンの分子量は10万個ほど。

さらにこのコラーゲンが身体の中の酵素などで分解されるとより小さい「コラーゲンペプチド」という成分に変わります。

コラーゲンペプチドは数百程度の分子量で、水に溶けやすく、また身体に吸収されやすいことから健康食品などに多く使われます。

さらにこのコラーゲンペプチドがさらに小さく分解されたものが、「アミノ酸」です。

健康食品なで身体に吸収されやすいものを選ぶときは、コラーゲンペプチドが含まれているかを見ることが一つの指標となるかもしれません。

年をとると体内のコラーゲンが少なくなる!?

肌の調子をチェックする女性

繰り返しますが、残念なことに、身体の中のコラーゲンは加齢とともに減少してしまいます。

また、身体の中のコラーゲンを合成する能力そのものも弱くなってしまいます。

若い頃であれば、普段の食事などから十分なタンパク質を摂っていればコラーゲンの生成が行われるのですが、年齢を重ねると食事からの摂取ではコラーゲンが不足してしまうことも。

しかも、コラーゲンは肌だけでなく骨や血管などにも存在しています、コラーゲンが不足することで、これらの柔軟性がなくなり骨が折れやすくなってしまうこともあるのです。

年齢を感じ始めたら、規則正しい食生活を送り、良質なタンパク質を摂ることが大切ですが、どうしても足りないときは、サプリメントや健康食品などで効果的にコラーゲンを補っていくことが大切です。

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